花を肖像として描き始めてから四十年近くになる。
子供の頃から絵を書いていたが、ある日花を描いてみようと思い周りを見渡してみたが花は子供の頃のようには咲いてはいなかった。
これまで数多くの画家が花を題材として描いているが、それは花の有る風景として捕らえている作品が多い。
大自然が力強くまだまだ豊であったからであろう・・・。
花を題材として描くには、その花を探す所から始まるのだが花に出会うまでが遠い。
その花の芸術史、植物学、哲学そして原産地とあらゆる角度から調べ「フラワーハンター」となり花を追い求める。
そして東京のアトリエに帰り大きなキャンバスに、その花一輪を花の肖像を描く。
急激に地球は衰退している。1950〜60年代頃まではまだまだ力強い自然が残されていた。 子供の頃はそこらじゅうに花が咲き乱れ花などいくら摘み取ってもかまわぬ地球だったが、今は花を摘み取るなど犯罪である・・・。
この地球に生命が生まれ花が誕生したのは1億年前頃と言われ新生代6500万年前ほ乳類が生まれ生命の進化により人類が生まれた。
花の歴史から見て人間の歴史など一瞬の出来事に過ぎず、その一瞬の出来事で花の歴史を衰退させている。
この地球は花惑星『フラワープラネット』なのだから・・・。
花の惑星としての真の姿を永遠に続くことへのオマージュとして花の肖像を描いている。
Tadamasa Yokoyama